部門長の挨拶

平成28年度 材料工学部門長 金子賢治
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九州大学工学研究院材料工学部門は,その前身を1911年に設立された九州帝国大学工科大学冶金学科に遡り、2011年に創立100周年を迎えました.我が国の大学の材料系学科なかで、最も長い歴史と伝統を誇る一つに挙げられます.これまでに多くの著名かつ有為な人材を輩出し、日本のみならず国際社会にも大きく貢献しています.材料工学部門は,今後も九州大学工学研究院の中核として,材料科学工学に関わる教育と研究を通じ,日本,アジアそして世界の発展のために尽くしていきます.

[部門長プロファイル]
  学部から博士までイギリスの大学で物理を学び、帰国後、幾つかのポスドクを経験した後に、2001年4月から九州大学で採用して頂いています.専門は固体物理学や結晶構造解析学になります.

地球上には百十数個の元素しか存在していませんが、それらの元素の組み合わせと結合により様々な材料が生まれ、特性が発現します.新しい材料を的確に開発するためには、このような特性の発現メカニズムを原子オーダーで理解し、原子配列の乱れや添加物の分布を解明するなどといった材料解析が不可欠です.そのため、透過型電子顕微鏡やX線を駆使し、プロセスの改良などにより、様々な材料とナノスケールで向き合っています.


材料工学部門について

キーテクノロジーとしての材料工学

fcc_電子.jpg石器や陶磁器、革製品、木材など自然に存在するものを加工した材料は第1世代の材料といわれています。これに対して天然素材から人工的に変換された銅、鉄などは第2世代の材料、高分子材料は第3世代材料、合目的に設計された半導体や複合材料は第4世代の材料に分類されています。
製鉄法の発明が産業革命を促し、この鉄と産業革命による大量生産性の確立が現代の文明社会の基礎となっています。鉄の大量生産が自動車社会をつくりだし、ジュラルミンの発明が航空機を発展させ、超耐熱合金の開発の進歩がターボジェットエンジンを用いた大型旅客機を普及させました。また、半導体や光ファイバーの発明がなければ現在の電気通信や電算機技術もありえませんし、情報化社会の発展も起こりえません。これらはすべて新しい材料の開発が契機となって発展した技術です。これが「新しい材料の開発は文明発展のキーテクノロジーである」と言われる由縁です。

次の世代のために

ingot.jpg人間社会の未来を支える科学技術、たとえば超伝導、核融合、宇宙開発などでは、少しでも高い温度で超伝導となる材料、超高温そして高エネルギー粒子線の照射に耐える材料、軽くて強い材料などの開発が鍵となっています。そして問題となっている地球環境。ここでも、エネルギー消費の少ない材料、リサイクル技術、環境と調和する材料、またたとえば自動車の軽量化、長寿命化など材料の研究が重要な役目を果たす例は枚挙にいとまがありません。材料研究者、技術者が次の世代の文明社会を支えているのです。
先進諸国の技術開発への最近の取り組みにはめざましいものがあります。必然的にキーテクノロジーとしての材料の重要性が認識されています。超急冷アモルファス材料、超伝導材料、人工超格子、超微粒子、超塑性材料、超耐熱材料など「超」で表されるように、従来の常識を超えるこれまでにない材料がつぎつぎと開発されつつあります。また形状記憶合金、水素吸蔵合金、防振鋼板、化合物半導体、先端複合材料、生体材料など、わたくしたちの生活と密接につながりのある材料がつぎつぎと話題に上っています。そして、経済的に成功したわが国に対しては、基礎研究や独創的な技術開発の面での国際的な貢献が強く期待されています。

沿革

明治44年(1911年)
材料科学工学コースの前身の一つ冶金学科は冶金学講座および鉄冶金学講座の2講座編成で創設され、金属系学科としては、東京大学、京都大学に次いでわが国で3番目の歴史をもつ伝統的な学科です。その後、昭和15年までに5講座編成(学部学生:定員1学年25名)と拡充。

昭和36年(1961年)
冶金学科の鉄冶金学講座を核に鉄鋼冶金学科(6講座編成、学部学生定員1学年40名)が 新設。

昭和50年(1975年)
本学に大学院総合理工学研究科が創設され、材料開発工学専攻が新設。

平成2年(1990年)
冶金学科および鉄鋼冶金学科が材料工学科に統合。

平成9年(1997年)
大学院重点化にともない、物質科学工学科に4つのコースが新設。その1つが材料科学工学コースです。





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